音に対する脱感作/サウンドセラピー

音の脱感作(サウンドセラピーとしても知られています)は、音に関する犬や猫の問題行動を矯正する効果的な方法です。ペットに様々な音を試験的に聞かせることで花火や雷などの突然の大きな音に対する反応性を軽減するのに役立ちます。音の脱感作が成立するまでに約6~8か月かかることもあります。

ペットを不安にさせる音はさまざまです。ここでは花火の音に対する脱感作の方法をご紹介します。PCやタブレットのスピーカーでボリュームを適切に調整して行ってください。

ヒントとコツ:
いろんな部屋で行う

実際の生活では音は不意に起こるので、いろんなシチュエーションに対応できるよう、家の中のいろんな部屋で脱感作のトレーニングをしましょう。

毎回同じ人が行わない

いろんなシチュエーションに対応できるよう、同じ人ではなく違う人がいる環境で、様々な時間帯に脱感作トレーニングを行いましょう。

室内だけではなく屋外でも行う

可能であれば屋外でも試してみましょう。

焦らずゆっくり行う

ペットのペースに合わせて焦らずゆっくり進めましょう。急ぎすぎると成功しません。

してはいけないこと

飼い主さん自身が音に反応しないこと。
実際の花火大会が予定されているときには行わないこと。

おやつやおもちゃを利用しよう

おやつやおもちゃを同時に使うと役立ちます。

ジルケーン®を与えよう
ジルケーン®を併用することで、音の脱感作プログラムをより効果的に行うことができます。
専門家のアドバイスをもらう

愛猫・愛犬が花火の音に慣れるための方法について、かかりつけの獣医師や行動学のスペシャリストにも相談してみましょう。

6~8か月前から始める

音の脱感作プログラムは、約6~8か月間くらいかかります。花火大会の多い時期に向けて時間的な余裕をもって取り組みましょう。

音の脱感作プログラム
このプログラムでは、3つのサウンドトラックを使用します。

トラック1.花火の音 構成音(1分58秒)

トラック2.花火の音 完成音(5分1秒)

トラック3.花火大会の音(4分30秒)

開始時の音量設定

開始時の音量設定は、ペットが反応しない最大音量にします。飼い主さんにはほとんど聞こえない程度のとても小さい音量かもしれませんが、心配ありません。

1.まずは、おやつやおもちゃでペットの警戒を取り除き、安心させた状態にしてください。

2.トラック1「花火の音 構成音」を音量0から始めます。

3.徐々に音量を上げていきます(急に音量を上げないように注意します)。ペットが少し音に反応する(耳をぴくっと動かすなど)まで続けます。

4.再びペットが反応しなくなるまで徐々に音量を下げていきます。反応しなくなった音量が、開始音量です。音量を書き留めておくといいでしょう。

5.ほとんど聞こえないレベルの音量にもかかわらず、ペットが異常な反応を示す際は、獣医師または行動学のスペシャリストに相談してください。

音の脱感作プログラムの開始
始める前に、音量設定をチェックすることを忘れないようにしましょう。

始める前に、音量設定をチェックすることを忘れないようにしましょう。
1.ペットが落ち着いてリラックスした状態であることを確認します。
2.まず最初に、トラック1「花火の音 構成音」を開始音量で流します。
3.音に反応した場合:
・花火の音を消す
・ペットの反応に対しリアクションはせず、そのまま放っておく
・ペットが落ち着いたら再度より小さな音量で行う
4.音に反応しなかった場合:
・ご褒美を上げる
・そのまま1分間ほど花火の音を流して止める
・その後しばらくして、あるいは翌日、再度同じ音量で花火の音を聞かせる
5.ペットがトラック1「花火の音 構成音」を終わりまで反応せず落ち着いた状態でいられるようになるまで、毎日同じトレーニングを繰り返します。どのトラックも自動再生しますので、必要な時間続けて聞かせることができます(10~15分)。
6.このトレーニングをペットが落ち着いているときに1日何度か行いましょう。少なくとも1日に1回は行うようにします。
7.慣れてきたら、同じ要領で少し音量を上げて行います。最初は1分くらいから、徐々に1分ずつ追加していきましょう。
8.このように毎日トレーニングを行い、本当の花火のような音量でも反応しなくなるまで、徐々に音量を上げていきましょう。1日に2~3回、異なる時間帯に同じ音量で試してみて反応しなくなったら、トラック2「花火の音 完成音」に進みましょう。
9.トラック2「花火の音 完成音」でトレーニングを行う際もステップは同じです。開始前にはスピーカーの音量設定をチェックするようにしてください。
10.1日に2~3回、異なる時間帯に現実的な音量で試してみて反応しなくなったら、トラック3「花火大会の音」に進みましょう。他の2つのトラック同様、開始前にはスピーカーの音量設定をチェックしましょう。